ここみ堂だより 10月号

★秋の乾燥に注意★

●秋の乾燥が起こる理由

10月になると朝晩の冷え込みが強まり、空気の乾燥も進みます。

夏の紫外線で肌のバリア機能が弱っているため、少しの乾燥でも肌がつっぱったり、かゆみや赤み、粉ふきの症状が出やすくなります。

肌だけでなく、喉や鼻の粘膜も乾燥すると外からのウイルスや細菌に弱くなり、風邪をひきやすくなることもあります。

季節の変わり目に体調を崩しやすいのは、この乾燥の影響も大きいのです。

●朝晩の保湿ケアが大切

乾燥対策で最も大切なのは、こまめな保湿です。特にお風呂上がりは肌から水分が蒸発しやすくなるため、10分以内に保湿剤を塗ることがおすすめです。

顔や体全体はもちろん、乾燥が目立ちやすい【すね・ひじ・ひざ】は意識して丁寧にケアしましょう。唇や手も荒れやすい部分ですので、リップクリームやハンドクリームを日中もこまめに塗ると、乾燥によるトラブルを防ぎやすくなります。

組み合わせて、秋の乾燥に負けない健やかな肌を保ちましょう。

●生活環境で乾燥を防ぐ

保湿は外からだけでなく、生活環境を整えることも大切です。室内の湿度が40%を下回ると乾燥を強く感じやすいため、加湿器の使用がおすすめです。

加湿器がない場合でも、洗濯物を部屋に干したり濡れタオルを置くだけでも湿度を保つことができます。また、エアコンの使用も乾燥を招きやすいので、加湿器や濡れタオルで調整してあげましょう。

●体の中からも潤いを補給

気温が下がると水分を摂る量が減りがちですが、体の内側が乾くと肌や粘膜の調子も悪くなります。お茶や白湯、スープなどでこまめに水分を補給し、体の中

からも潤いを与えることが大切です。また、バランスの良い食事や十分な睡眠も肌の健康を支えるポイントです。生活習慣の工夫と保湿ケアを組み合わせて、

秋の乾燥に負けない健やかな肌を保ちましょう。

ここみ堂だより 9月号

高血圧ってどんな病気?

高血圧とは、血管の壁に内側からかかる圧力が通常より大きい状態のことです。

絶えず強い力で血液を送り出さなければならず心臓や血管に負担がかかり、血管がつまったり・破けたりしてしまいます。また高血圧にはホルモンの異常や腎臓の病気などが原因で起こる「二次性高血圧」と、はっきりとした原因がわからない「本態性高血圧」があり、そのほとんどは後者のタイプです。もともと日本人は血圧が高くなりやすい遺伝子を持っており、本態性高血圧はそうした体質にさまざまな生活習慣が加わって起こると考えられています。高血圧になると、心臓は絶えず強い力で血液を送り出さなくてはならず、血管は強い圧力を受け続けることになります。しかし、自覚症状がほとんどない為、放置している人も少なくありません。しかしそのままにしていると、心臓の負担や血管のダメージが大きくなり、やがては重大な病気を招くことになります。

高血圧は放っておくと、重大な合併症を引き起こします。そうならないため血圧を高めたり、血管の寿命を縮めてしまう悪しき生活習慣をきっぱり断ちましょう。

☆家庭でできる高血圧予防の6つのポイント☆

Point 1 食事

•塩分は1日6g未満を目安に

•野菜・果物・魚を意識してとる

•加工食品や外食は塩分が多いので注意

●Point 2 運動

•1日30分程度の有酸素運動(ウォーキングなど)を習慣に

•エレベーターより階段を利用するなど日常生活で体を動かす

●Point 3 体重管理

•適正体重(BMI25未満)を維持

•内臓脂肪をためすぎないように注意

●Point 4 お酒・たばこ

•飲酒は適量を守る(1日1合程度まで)

•禁煙は血管の健康に直結

●Point 5 睡眠・ストレス

•規則正しい睡眠で自律神経を整える

•ストレスをためすぎず、リラックスできる時間を作る

●Point 6 定期的なチェック

•家庭用血圧計で測定し記録をつける

•異常が続く場合は医療機関へ早めに相談

ここみ堂だより 8月号

■食中毒

食中毒とは細菌やウイルス・毒素などがついた食べ物を食べて起こる病気です。主な症状には、下痢・腹痛・吐き気・発熱などがあります。原因となる菌には、サルモネラ菌・腸炎ビブリオ・カンピロバクターなどがあります。発症までの時間や症状は原因によって異なりますが、食後数時間~数日で症状が出ることが多いです。

特に高齢者や子どもは重症化しやすく、入院が必要になることもあります。脱水症状を起こすこともあるため、注意が必要です。体調に変化を感じたら、早めに医療機関を受診しましょう。

ここみ堂だより 7月号

●RSウイルスとは?

RSウイルスは正式にはRespiratory Syncytial(レスピラトリ―・シンシチアル)ウイルスといい、その頭文字をとってRS(アールエス)ウイルスと呼ばれます。小児にとってとても一般的なウイルスで、1歳までに約50%、2歳までにほぼ100%の子ども達がこのウイルスに感染します。世界ではRSウイルスに関連した気道感染症が年間3300万件・入院が360万件・死亡が10万件おこっていると推定されています。

日本でも毎年12~14万人の2歳未満の子ども達がRSウイルス感染症と診断され、約3万人が入院を必要としています。RSウイルスは、生後間もない赤ちゃんが感染すると重症化する場合が多く、新生児にとってはとても怖い感染症の1つです。

●RSウイルスの症状

RSウイルス感染症は、軽度から重度までさまざまな症状を引き起こします。

子ども・大人ともに軽症では、発熱・のどの痛み・鼻づまり・鼻水や咳など喉や鼻の風邪のような症状が中心です。症状が出る期間は軽症の場合、2〜3日から1週間程度です。
重度では喘鳴や呼吸困難・だるさ・食欲不振など呼吸器や全身の症状におよびます。

重症化すると気管支炎や肺炎に進行し、治療期間が伸び入院治療が必要になることもあります。

●RSウイルスの治療方法

RSウイルス感染症に対する特効薬はなく、主に対症療法が行われます。ウイルス感染そのものを治療するのではなく症状を和らげ、体力回復を促すケアが中心です。

軽症の場合は、治療せずに治ることもあります。発熱により水分が失われるため、十分な水分補給を行い、安静を保ちます。咳や鼻水に対しては加湿器を使ったり、蒸気を取り入れたりして呼吸を楽にする方法が効果的です。咳が続いて眠れない場合は、座った姿勢で休むなど姿勢の工夫をするとよいでしょう。重症の場合酸素療法が必要になることがあります。

喘鳴や呼吸困難が強い場合は入院し、点滴や吸入・肺機能が低下した場合、人工呼吸器などの治療が行われることがあります。

●RSウイルス感染症の感染経路と予防方法

RSウイルスは感染した人の咳やくしゃみによる飛沫感染・ウイルスが付着した物や手を介して広がる接触感染があります。

ウイルスが付着した物や手を介して感染する為、特に以下の予防策が重要です。

手洗い:ウイルスが手についた状態で目や口・鼻に触れると感染しやすい為、こまめな手洗いが有効です。

咳エチケット:マスクを着用したり、咳やくしゃみをする際に口や鼻を覆うことが大切。

人混みを避ける:特に乳幼児や高齢者は流行時期に人混みを避け、感染リスクを減らすことを推奨しています。

室内環境の清潔保持:共有するおもちゃや家具・食器類・ドアノブなどを定期的に消毒し、感染を防ぎます。RSウイルスはさまざまな消毒薬に弱いウイルスですので、消毒用エタノール・次亜塩素酸ナトリウムなどの使用が有効です。

ここみ堂だより 6月号

~ 百日咳について ~

●百日咳とは?

百日咳菌の感染によって、特有のけいれん性の激しい咳発作(痙咳発作 (けいがいほっさ))を特徴とする急性の気道感染症です。

百日咳は世界的に見られる疾患でいずれの年齢でもかかりますが、小児が中心となっています。母親からの免疫が十分でなく乳児期早期から罹患する可能性があり、乳児(特に新生児や乳児期早期)では重症になり肺炎・脳症を合併し、まれに死に至ることもあります。

●主な症状(経過は3期に分けられ、全経過で約2~3カ月で回復するとされています。)

カタル期(約2週間持続)

かぜ症状で始まり、次第に咳の回数が増えて程度も激しくなります。

痙咳期 けいがいき(カタル期の後に約2~3週間持続)

次第に特徴ある発作性けいれん性の咳(痙咳)となります。夜間の発作が多いですが年齢が小さいほど症状は多様で、乳児期早期では特徴的な咳がなく単に息を止めているような無呼吸発作からチアノーゼ(顔色や唇の色や爪の色が紫色に見えること)・けいれん・呼吸停止と進展することがあります。

合併症としては肺炎や脳症などもあり特に乳児では注意が必要です。

回復期

激しい発作は次第に減衰し、2~3週間で認められなくなります。

成人の百日咳では咳が長期にわたって持続しますが、典型的な発作性の咳を示すことはなく、やがて回復に向かいます。全経過で約2~3カ月で回復します。

●予防と対策

百日咳の予防には、5種混合ワクチン(DPT-IPV-Hib)等の接種が有効です。

百日咳ワクチンを含む接種は、わが国を含めて世界各国で実施されており、その普及とともに各国で百日咳の発生数は激減しています。しかし、ワクチン接種を行っていない人や接種後年数が経過し、免疫が減衰した人での発病はわが国でも見られており、世界各国でいまだ多くの流行が発生しています。

ここみ堂だより 5月号

快眠のための新常識 ~ 良い睡眠のために ~

睡眠不足は免疫力を弱め、がんやメタボリック症候群・うつ病、ひいては認知症のリスクを上げることもわかってきました。

国民健康栄養調査では「寝つきが悪い」「中途覚醒する」など、睡眠に悩みを持つ人は5人に1人。

良い睡眠のためにできることからやってみましょう。

●リビングダイニングは薄暗くしよう!

日本の住宅は夜の居住空間が明るすぎます。明るい光は体内時計が遅れがちになり、

メラトニンと呼ばれる睡眠ホルモンの分泌が抑制され、寝付きにくくなります。

●眠れないときは床からでる!

眠れないときは布団から出て読書したり、ホットミルクを飲んだり、リラックスして

眠くなってから床に戻りましょう。

●睡眠時間は6時間以上を目安に!

休日の寝だめは体内リズムが崩れるので2時間まで。それ以上寝ている人は慢性的な睡眠不足。

毎日30分早く寝るようにしましょう。

●16時以降のカフェインに注意!

覚醒作用のあるカフェインの効果が半減するのは2~8時間後。コーヒー・緑茶・

エナジードリンクなど、カフェインの多い飲み物を飲む時間を意識しましょう。

●入浴は就寝1~2時間前に!

40℃のお湯で10~15分ほどお湯に浸かると深部体温が0.5℃ほど上がり、

その後1~2時間後に深部体温が下がることで眠りやすくなります。

●寝る前のスマホは??

スマホやタブレットはナイトモードに。SNS・ゲーム・ショート動画・メールのチェックは脳を刺激して興奮状態になり、眠りにくくなります。

ここみ堂だより 4月号

喘息とは…?

風邪の他の症状がよくなったのに咳だけが続いていませんか?
それって喘息かも。喘息ってどんな病気?

●喘息の症状とは

喘息の主な症状は、咳や痰・息苦しさ・呼吸時のゼーゼー、ヒューヒューなどがあります。

喘息の症状は、1日の時間帯では夜間や早朝に起こりやすいと言われています。

また、季節の変わり目や気温差が激しい時・疲れている時・風邪を引いた時・症状を引き起こすアレルゲンや刺激物質などを吸い込んだ時に起こりやすいと言われています。

喘息の症状のきっかけ

 症状のきっかけとなるものには、アレルゲンとそれ以外のものがあります。アレルゲンとはアレルギー反応を起こす原因となる物質のことで、ダニやカビなどがあります。

アレルゲン以外としては、タバコの煙や風邪が代表的です。症状を引き起こす物質は

人によってさまざまで、いくつかの原因物質が組み合わさって起こることもあります。

喘息の症状を予防するにはこれらの刺激をなるべく避けることが大切です。

喘息の治療薬について

気道の炎症を抑えることが喘息治療の基本です。喘息の治療薬には起こってしまった

発作をしずめるお薬と、発作が起こらないように毎日継続するお薬の2種類があります。

毎日継続するお薬には、気道の炎症を抑える「吸入ステロイド薬」狭くなった気道を

拡げる「長時間作用性吸入β2刺激薬」この2種類のお薬が1つの吸入器に入った

配合剤、気道を拡げたり気道の炎症を抑えたりする「ロイコトリエン受容体拮抗薬」

気道を拡げる「テオフィリン徐放製剤」などがあります。

この中で、吸入ステロイド薬が基本の治療薬として位置づけられています。

症状がなくても毎日の治療を継続することが大切!

症状がなくなってくると、毎日の治療を忘れたり自己判断で止めてしまうことがあるかも

しれません。しかし症状がなくなっても、気道には炎症が残っている可能性があるため、

再び発作を起こしてしまいます。再び発作を起こさず健康な人と変わらない生活を

送るために、毎日の治療を継続することが大切です。

ここみ堂だより 3月号

■生活習慣病とは??

生活習慣病とは、不適切な食生活・運動不足・過剰なストレス・過度の飲酒・喫煙などの生活習慣によってもたらされる病気の総称です。

メタボリックシンドロームとしての肥満症や高血圧症・糖尿病・脂質異常症・動脈硬化症などが生活習慣病と呼ばれます。生活習慣病の重症化や合併症によって、脳血管疾患(脳梗塞・脳出血など)・虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞など)や糖尿病の合併症としての人工透析が必要な腎疾患・網膜症による失明など、重篤な死亡リスクの高い疾患を引き起こします。これらの重篤な疾患により、身体機能・認知機能・生活機能も低下して要介護状態へと進行していきます。

生活習慣病は、身体活動や運動・食事・喫煙・飲酒・睡眠・ストレス等の日常の生活習慣を改善することで予防できます。

■生活習慣病予防の食生活

☆1日3食、バランスよく食事する

★食べ過ぎに注意し腹八分目を意識する

☆野菜を多く食べる

★食物繊維もしっかり食べる(海藻、根菜類、豆類、きのこ類など)

☆塩分の摂りすぎに注意する(男性7.5g未満/日、女性6.5g未満/日)

★カルシウムを意識して取る

(牛乳・チーズ・ヨーグルト・豆腐・納豆・ししゃもなど)

☆就寝直前の夜食はとらない

■生活習慣病予防の日常生活

★運動不足はウォーキングで解消

☆適正飲酒と禁煙のすすめ

★ストレス・疲れを上手に解消

☆定期的に健診を受ける

ここみ堂だより 2月号

朝ごはんを食べて1日を元気に過ごしましょう!

朝食には脳や体のエネルギー補給や生活リズムの調整、

太りにくい体作りなどの大切な役割があります。

しっかり朝食を食べて脳を活性化させて1日を元気に過ごしましょう。

●1日を元気に過ごす活動源

脳や臓器は寝ている間も活動し、エネルギーを消費しています。

朝ごはんを食べると、エネルギーがいきわたって体が目を覚まし、動きやすくなります。

朝食をしっかり食べることが、1日を元気に過ごす活動源になります。

●より健康的な食生活を送るために「野菜」を取ろう

  • 食べ過ぎを防ぐ
  • 腸内環境を改善する
  • 加齢やストレスに対抗して、がん予防もできる
  • 脂質を改善する
  • 血圧上昇を抑制する

健康を維持・増進するためには、1日に350g以上の野菜をとるようにしましょう。

●太りにくい身体作り

朝食をとらずに昼食をとると、血糖値が急激にあがってしまい、

カラダは余ったエネルギーをため込んでしまうため太りやすくなってしまいます。

●お通じスッキリ!

朝ご飯を食べて規則正しい食生活を心がけることが大切です。

朝ごはんを食べると、腸が刺激されて排便しやすくなります。

ここみ堂だより 1月号

新年、明けましておめでとうございます。
昨年は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

●ノロウイルスとは…?

胃腸炎を起こす感染症は複数ありますが、ノロウイルスによるものをご紹介します。

ノロウイルス感染症は、乳幼児から高齢者までの幅広い年齢層に急性胃腸炎を引き起こす

ウイルス性の感染症です。長期免疫が成立しないため何度もかかります。

1年を通して発生していますが主に冬場に多発し、

11月頃から流行がはじまり12~2月にピークを迎えます。

原因ウイルスであるノロウイルスは人の腸管内でのみ増殖しますが、

乾燥や熱にも強いうえに自然環境下でも長期間生存が可能です。

また感染力が非常に強く、少量のウイルス(10〜100個)でも感染・発症します。

●どんな症状?

嘔気・嘔吐・下痢(主症状)

その他、・腹痛・頭痛・発熱(軽度)・悪寒・筋痛・咽頭通・倦怠感など。

激しい嘔吐となるのが特徴です。下痢は水様便で一般的に1日に2・3回程度出ますが、

1日に何十回と下痢をするケースもあります。

通常1~2日程度で治癒し、後遺症もありません。

乳幼児や高齢者などでは頻回な下痢と嘔吐で脱水症状に陥るケースもあり、

嘔吐物による窒息のリスクも少なくありません。

●かかってしまった時の対処法

・有効な特効薬はなく対症治療中心 ・「脱水症状」になりやすいため意識的に水分補給

ノロウイルスには有効な抗ウイルス剤がなく、対症療法が行われます。

特に抵抗力の弱い乳幼児や高齢者が感染すると、「脱水症状」になりやすいので、

症状が少し落ち着いた時に、少しずつ水分補給を行ってください。

(乳幼児の場合、ジュースや牛乳などの濃い飲みものを与えたり、一気に飲ませると

吐き戻してしまうことがありますので注意してください。)

脱水症状がひどい場合には、病院で輸液(点滴)を行うなどの治療が必要となります。

下痢止め薬は、病気の回復を遅らせることがあるので使用しないことが望ましいでしょう。